人生で女性にモテたことがないおじさん、さやさやです。
ボクの童貞の頃の話を書いてほしいとスキンヘッド愛好家仲間の兄貴に言われたので、気持ち悪くならない感じに書いてみようと思います。
ボクの友人から聞いた話で初体験が一番早かったのは男は中2で同級生と、女の子も中2で相手は大学生だったらしいです。
中2と大学生は犯罪だろって思いますが実際その当時はどうだったのでしょうか。
中学生くらいになると女の子と付き合いはじめる友達も出てきます。
はっきりと「もういたしたの?」とは聞きませんし、聞いても答えないと思いますが彼女がいる奴と彼女のいないボクでは明らかに奴のほうがチェリー脱出に近いわけで焦りを感じ始めたのが中2くらいからです。
中学生の時は2回位告白しましたが、共に断られてしまいました。
ボクの小中学校の友達は掛け算も出来ないようなDQNだらけで、友達はボクのことを同類みたいに思っていたようで、一緒に工業高校に進学すると決めつけていたようですが、ボクはDQNがいない世界に行きたかったのでめちゃくちゃ勉強して共学の頑張ればギリギリ国公立もいけないことはないギリギリ進学校に入りました。
ホントは工業高専に進みたかったのですが女子が少ないので出会いも少なくなり、彼女が出来る確率も下がるだろうという考えもありました。
高校に入ってやりたい事は主に3つで、大学進学、単車に乗る、彼女が欲しい、でした。
大学受験のために勉強をして、バイトをして免許を取りに行き、実際に目標に向かって行動をはじめましたが、彼女を作るためにも何かをしなければいけないと考えました。
まずは出来ることからと、髪型をジャニーズ風にして、学校に行く前には必ずシャワーを浴びて清潔感を出すということと、太らないように週三回はプールに通って3キロくらいは泳ぐようにしました。
免許をとって単車に乗るようになると、単車に乗っている友人同士で冗談半分だけど多分みんな本気で「童貞のまま事故って死ぬのだけは嫌だな」なんて話をしていました。
ボクは中学から一緒のMという友達と高校に通学することが多く、Mも単車に乗っていたので色々と話が合いました。
通学のときに「事故って童貞で死ぬのだけは嫌だな」という話をMとも時折しました。
高校1年生の時にはクラスの女子で仲の良い子ができて、ちょっと前のブログでも書いたかもしれませんが単車で二人乗りして遊びに行ったりしていました。
でもこの子とお付き合いすることはなく、秋頃に文化祭にきた女子校の女の子と仲良くなってしまい、結局付き合うことになりました。
同じクラスの子は話をしてて面白かったし、スタイルもめちゃくちゃいいし、多分周りからは付き合ってると思われてたくらい仲が良かったのですが、ボクは別の女の子と付き合うことになりました。
今になって考えると、チェリーのボクはギャルっぽい女子校の子にコロッと転がってしまったのかなと思います。
高校2年生になり最初の金曜日にMと一緒に下校しました。
なんでもMと小学校が同じだったKという男子が同じクラスになったようで、明日の夜そいつを後ろに乗せて単車で横浜に行くとかって話をして、お決まりの「事故って童貞のまま2人共死んだら洒落にならない」みたいな話をしました。
翌々日の日曜日の朝、ボクは女子校の彼女と一緒に自分の部屋にいました。
そこに小学校から付き合いのあるDQNの友人Cがやってきました。
Cは顔が真っ白で妙に緊張していて、ボクにも緊張が移ったのを覚えています。
「Mが死んだ」とCは真顔で言いました。
「街道沿いのジョナサンにみんな集まってるからお前も来い」
と促されて、部屋に彼女を残しCと一緒にジョナサンに行くと、日曜の朝にふさわしくないお通夜状態のDQN軍団が店全体の1/4くらいの座席に座っていました。
土曜の夜、数時間前にバイクの事故でMとKが亡くなったようで、何故か状況を知っているDQNがみんなに説明していました。
誰も話をするものがいなくなり、お通夜状態の仲、DQNの一人がポツリと言いました。
「Mって童貞だったのかな。もしそうだったら可哀想すぎないか?」
「あいつ彼女いた?」高校が一緒なのでボクにDQNの一人が話を振りました。
「聞いたことないからわからない」とボクは答えました。
Mの告別式には中学校時代のDQN軍団や高校の友人が沢山出席していました。
Mのお母さんが出棺のときに「あの子はこのお菓子が好きだった、これも好きだったんです」と泣き叫びながら棺にお菓子を入れようとしているのを見てボクはもう我慢できなくて泣きました。
女の子はみんな声を上げて泣いていて、普段は人を平気で傷つけるDQN軍団もボロボロと泣いてました。
葬儀が終わりDQN軍団とぞろぞろと歩きながら話をしました。
「Mのお母さんがお菓子を棺に入れようとした時泣いちゃったよ」と誰かが言いました。
「思い出したら泣いちゃうから言うなよ。ぬっ殺すぞ」と誰かが怒鳴りました。
「今日くらい大人しくしてろバカ」と誰かが言いました。
「なんでてめぇが仕切ってんだよ。ぬっ殺すぞ」と誰かが言いました。
ボクはひっそりと路地を曲がり、気づかれないようにDQN軍団から離れて家路につきました。
それから数ヶ月立経って、胸に穴が空いていた感覚が薄れてきた頃でした。
ボクは最初の彼女と別れて、2年生から同じクラスになった子と付き合い始めました。
学校でその子にペンを貸してとお願いしたら「好きなの使って」とペンケースを渡されたので何気なく一本取り出すと「それ1年の時の友達の形見だから無くさないでね」と言われました。
「もしかして1年のときにMと同じクラスだった?」とボクはちょっとびっくり。
「もしかしてMと付き合ってた?」とボクが聞くと今度は彼女がびっくり。
「付き合ってないよ」と彼女。
「Mって付き合ってる子とかいた?」とボク。
「わかんないけど私は聞いたことない」と彼女。
「Mのこと好きだった子とかいたかな?」とボク。
「いたよ。まぁまぁ人気あったと思うよ」と彼女。
Mがいなくなった事実は変わらないのでこれ以上聞いても切ないだけかなと思って話を終えました。
Mが生きてればあいつも40歳かと、ほんとに当たり前のことを考えてるボクですが、せめてMとの時間を忘れないことがボクに出来ることなのかなと思ったりもしています。